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Cool head, but warm heart.


2007年6月27日(水)

突然ですが、「Papers」というページを作りました。今考えている
"A Simple Model of Inflation Zone Targeting"を更新したらそこに
置いとこう、という目的で作ったんですが、他にいくつかネタがあったんでついでに
置いてみました。ご笑覧頂ければ幸いです(コメント等あれば非常にうれしいです)。

その他、そこには置けないけど僕が手がけた物件としては、全国に5,000部以上無料で
ばら撒かれている80ページぐらいの小冊子(ここを見て下さっている
人の目には留まらないでしょうが)ってのもあります。なかなか好評のようで、
この前などは「社内の研修で使いたいから買いたい」という問い合わせが
ありました。買いたいって言うんだったら金もらっちゃうかな、という
気持ちを抑えて無料で送ったんだけど、この前ネットでその冊子を
検索したら、なんとオークションで売買されてる!しかも1,130円で売買成立!
高っ!じゃあ俺もオークションで売って儲けるか、なんてことは
思ってもいませんです。多くの人の目に留まれば幸い。


2007年5月24日(木)

5月6日に書いたMishkin & Westelius論文を一通り読みました。
さすがにBarro and Gordonモデルをベースにしているだけあって、
俺の考えているモデルと似てる。まだ十分理解できていないかも
しれないけど、ちょっと感想を。

このモデルは、中央銀行の目的関数にインフレ・ターゲットの上限、
下限を入れてる。その目的関数を最大化する1階条件が、最適契約に
よってインフレ・バイアスを解消できるというモデル(Walsh(1995))の
1階条件と同じ形になる、というところは確かにうまい。うまいんだけど、
なんでインフレ・ターゲットという「制度」が目的関数に入って
くるのかがイマイチよく分からん。

例えば、ターゲットを設定した時のインフレ率と、ターゲットなしで
実現したインフレ率が同じであっても、前者の方が中央銀行の
目的関数の値が小さくなる。同じインフレ率、産出量なのにも
かかわらず。この違いは、前者の目的関数に「アカウンタビリテーC」
ってのが入っているからなんだけど、つまりはその「C」ってのが
何なのかがよく分からん、ということ。ターゲット範囲を外れた時に
何らかのコストがかかるのであれば分かるけど、ターゲット範囲に
収まった時にもコストがかかるという設定には違和感がある。

そんなわけで、制度の違いによって目的関数を変えてしまうのは
どうかなと俺は思う。だから俺の場合、中央銀行の目的関数は
同じにして、その値を最大にするような「制度」はどういったものか、
というアプローチを取っている。確かに俺も昔一瞬、目的関数に
インフレ・ターゲットの上限、下限を入れるってことを考えたけど、
上のような疑問を持ったから止めたんだっけな。
(2007年12月18日:ここまでの批判は的外れでした。取り消します。
2007年12月18日の記述も参照のこと)

あと、このモデルの売りは、最適契約ってのは現実的には難しいから、
幅のあるインフレ・ターゲットを導入することで、均衡における
インフレ・バイアスをほぼ解消できる、というところなんだろうと
思う。それはいいんだけど、均衡のことだけ考えればいいのかな?
動学モデルなんだから、均衡に至るまでのプロセスを考えた上で、
目的関数の割引現在価値の流列を最大化するような「制度」を
導入することを検討した方がいいと思うんだけどな。ちなみに俺の
モデルでは、均衡ではバイアス思いっきりありのインフレ率に
なるけど、一応目的関数の割引現在価値の流列が最大にするには
どういうターゲットを設定すればいいか、という視点で考えている
(結果がうまくいっているかどうかはまた別の話)。


2007年5月23日(水)

Marcus Sundberg, Spatial Computable General Equilibrium Modeling.


2007年5月18日(金)

忘れてた。一応宣伝しとこう。

普通の人の目にはほぼ100%留まらないであろう「高速道路と自動車」という
雑誌の5月号に、俺の関わった論文が掲載されました(一応査読付)。タイトルは
「道路投資における費用便益分析のための交通需要予測の方法」

4人共著で、実質的には2nd author、立場上4th author。とはいっても、ほとんど
1st authorの人が書いたんだけど。まあ、論文への貢献というよりは、仕事全般に
関する貢献が評価されて、共著にしてくれたんだと思う。

ちなみに内容は、「そりゃlogitモデルとか使って費用便益分析やりたいんだけど、
実務じゃなかなかできないんですよ。でも、そういう方向に近づけるよう、
実務側も努力していかなきゃなりませんね」といった感じのもの。
数式がばっさり切られて、最初30ページ弱あったのが、9ページになっちゃった。

ここでは元々の論文の方をリンクしておこう。コメント歓迎。


2007年5月6日(日)

下のAthey et al.論文よくわかんねー。マジでメカニズム・デザインの論文だ。
マッカラム御大でも難しかったのか、論文に対して正面からコメントしていなし。
そういや著者の1人のSusan Atheyは、つい最近John Bates Clark Medalを取りましたな
そんな大物だったんですか。

ただ、この論文のおかげで幅のあるインフレ・ターゲットを扱った論文をもう1つ
見つけた。Frederic S. Mishkin & Niklas J. Westelius(2006)"Inflation Band
Targeting and Optimal Inflation Contracts,"
NBER Working Papers 12384.

Monetary Policyの大物Mishkin大先生の仕事で、まだ去年の論文、しかもこっちは
正真正銘のBarro and Gordonモデルベースだ!Abstractを読む限り、動学的不整合性の
解決には幅のあるインフレ・ターゲッティングが有効、という問題意識は俺と近いし
去年の8月26日に載せた論文?参照。でも、最近は動学的不整合性から離れようかなと
思ってる)、何よりAthey et al.よりかなり易しいのがうれしい。こっちはじっくり
読んでみよう。


2007年4月17日(火)

仕事上、というか、成り行きでV. V. Chari and Patrick J. Kehoe"Modern
Macroeconomics in Practice: How Theory Is Shaping Policy"
を読んでる。

この論文は、去年話題になったN. Gregory Mankiw"The Macroeconomist as Scientist
and Engineer"
(Sveseedさんによる素晴らしい日本語訳)とともにThe Journal of
Economic Perspectivesに掲載された論文なんだけど(マクロ経済学が実務に
活かされてきたかどうかという点に関して、両者の意見の相違が面白い)、その中で
S Athey, A Atkeson, P Kehoe(2005), "The Optimal Degree of Monetary Policy
Discretion"
Econometrica, が紹介されていた。

興味を持ったのでちらっと読んでみると、「Barro and Gordon(1983)と同様の
モデルを使って」とか、「金融当局が私的情報を持っていれば、受容可能な
インフレ率の範囲を設定して、その範囲内で裁量を与えることが最適な政策」とか、
俺がまさにやりたかったようなことが書いてある(言うまでもなく、レベルは
全然違う)。知らなかった・・・。大体、Barro and Gordonと同様の
モデルっていっても、あのMcCallum御大も「メカニズム・デザインは専門外だから
よく分からん」って言っちゃうほど、難しくなってるし(だからEconometrica
なんだよな)。まあ、とりあえずは読んでみますか・・・。

そういや、林文夫編「経済停滞の原因と制度」にあったブラウン・脇論文も
面白かったので、まとめないとな。


2007年3月15日(木)

話題の政治ポジションテストやってみた。俺の結果

リベラル+2,小さな政府+1で、他の人の結果を見た中では飯田先生のが近い。
飯田先生のコメント「金銭的な所得再分配はそこそこ賛成(労働供給の所得弾力性は
低いから),相続税は上げるべき(個人は一人の人間のことだと思うから)+政府
のみが不換紙幣の供給者である……以外はほとんど政府は何もせんでいいと思って
いる」というのも大筋同意だし。


2007年3月3日(土)

なんか生産性論争というのがありましたね。山形さんの「生産性の話の基礎」という
記事を読んで、Balassa-Samuelson effectを思い出しました。数式で書いちゃえば
早いんですけど、なかなかやさしい言葉で伝えるのは難しいですね。

あと、元々の「ゴッドランドの経済学」を読んで、「世の男性が美貌のお姉様に
お酒をついでもらいに行く店に、なんでこの人がいるんだろうと思ってしまうような
容姿のお姉様が時々いるのはなぜか」という大問題との類似性を一瞬
思いつきましたが、よく考えたらいろんな意味で不適当だと気づいたので、
やめときます(上の例についての持論はいずれまた)。

で、急に話を変え、いろんなところで良書と評判だった武藤滋夫『ゲーム理論入門』
読んでみた。確かに良書。まず、数値例が豊富であるため分かりやすい。あと、
協力ゲーム(2人、多人数)や進化ゲーム、適応的学習など、これまであんまり
勉強してなかったこと(≒神取大先生の院ミクロの教科書であったギボンズ
『経済学のためのゲーム理論入門』に書かれていないこと)についてもちゃんと
触れてあってありがたい。しかもそれらが結構面白い。費用の分担でのシャプレー値
とか、現実的に直面しそうな問題に対しても1つの見方を提供してくれる。

あと、個人的には交渉ゲーム(これは院ミクロでやった)における交渉の基準点に
通常マックスミニ値が使われるということと、下のインフレ・ターゲッティング設定に
おける「参照点」に合理的期待均衡時の厚生水準を使う、ということとの類似性?を
勝手に感じた。なんか活かせるのでは、という予感も。

大学院の時の授業のお供としてこの本に出会っていれば、という1冊。ギボンズも分かり
やすくていい本だけど非協力ゲームしか書いていないから、ギボンズ+武藤で
中級ゲーム理論はOKなんじゃないでしょうか(上級だとFudenberg−Tirole
『Game Theory』とか岡田『ゲーム理論』を読まないといけないんだろうけど)。
もちろん、ゲーム理論初めての人でも数値例をちゃんと追える我慢強さがあれば、
十分いけると思う。


2007年2月7日(水)

さて、加藤氏から「理論的にも実務的にも時代遅れ」と称されている
Barro and Gordonモデルをベースにして、「幅」のあるインフレ・
ターゲッティングを考えている俺だけど(New IS-LMをベースとしない
のは能力の問題。まずは簡単そうなところで考えてみよう、という
ことです)、なんとなく方向性が見えてきた気がする。去年8月に
まとめた時に北原君から正しく指摘されたように、俺のモデルの均衡?は
Barro and Gordon論文やSvensson論文とは違う均衡概念なので、
そもそも比較することはできない。で、今のところ考えている方向は
次のようなこと。

「幅」のあるインフレ・ターゲッティングを設定すれば、期待
インフレ率の形成に影響を与え、期待インフレ率を所与にインフレ率を
設定する中央銀行の厚生にも影響を与える。だから、中央銀行の
厚生の割引現在価値合計が最も大きくなるような「幅」が分かれば
一番いい。いくつかの仮定の下、民間経済主体の期待形成方法を
中央銀行が「完全」に把握していれば(「完全」というのは、
ターゲットを設定いない時や幅を逸脱した時も含む)、それは計算可能。
そりゃそうだ。しかし、中央銀行が民間経済主体の期待形成方法を「完全」に
理解しているというのはあまりにも現実的ではないだろう。だから、そのような
不完全性がある場合、厚生の割引現在価値合計を最大化するために「幅」を
設定することはできない(はず)。

そこでだ。そのような場合、厚生の割引現在価値合計を最大化するのでは
なく、「ターゲット導入後の各期の厚生がある値(ここでは合理的
期待均衡時における厚生水準)以上になるようにする」という基準で
幅を設定したらどうなんだろう。具体的には、合理的期待均衡時に
おける厚生水準をKahneman and Tverskyの「プロスペクト理論」の
いうところの「参照点(reference point)」にして、各期の厚生が
それよりも高くなるように「幅」を設定しよう、ということ。これはできる。
だから、民間経済主体の期待形成方法が分からない場合は、このような基準で
ターゲットを設定すればいいんじゃないか、という提案がメインの主張です。

ただ、いきなり「プロスペクト理論」を持ち出してきたことからも分かるように、
自分でも歯切れのよくない主張ではあるなあと思うんだけど。

あと、このような「幅」を設定するインセンティブは、現在の
インフレ率が「幅」の範囲にない経済においてある、というある
意味あたり前の主張もできるのかなと。

ちゃんとした論文の形にしてないけど、あとでここまでの結果を
載せてみたいと思う。


2007年2月5日(月)

んで、
koiti_yanoさんによる、Krugman流の流動性の罠の下で中央銀行はインフレを
起こせるか?(東京スポーツ風)


ごちゃごちゃ言わなくても、議論の土台(この場合はNew IS-LMモデル。
KrugmanのモデルがNew IS-LMモデルなんだから)をしっかり理解していれば
このようにばっさり切って捨てられる。


2007年2月4日(日)

もう1ヶ月も前になるか、ネット界でもかなり話題になった加藤涼『現代マクロ
経済学講義―動学的一般均衡モデル入門』
を(とっくではあるけど)読了。

この本に関してまず言うことといえば、「こういう本が出るのを待っていた。
ありがとう!」かな。久々に読み進めていくうちに興奮した経済学の本。

一部では「日本経済へのインプリケーション」について異論が出ているようだけど、
それはいいとしても、その異論を持って本書を評価するのはどうかと思う。
というのは、本書は現代マクロ経済学=Dynamic Stochastic General Equilibrium
(DSGE)モデルを紹介する教科書、というのが第一の目的であって、日本経済への
インプリケーションはDSGEモデルによる応用例の一つに過ぎないから(後述のように
加藤氏=ザモデル氏だとして、その応用例の結論をそのまま政策提言につなげよう
としているところが反感を買っているのかもしれないけど)。

まあ、幸いにして俺はまだ若者なので(爆)、本書で素直にDSGEモデルを勉強して
みたい。勉強する時間も能力も限られている我が身にとって、現代マクロ経済学の
「ツボ」をこれほど分かりやすく整理して教えてくれる本は他にないから。
あと、第2章のNew IS-LMモデルや第6章の最適金融政策では、概要と問題点を読めば、
誰が擁護派で誰が批判派だとか、こういった拡張の方向には誰が取り組んでいるとか、
そういったことも分かる。今後論文を読む時、そういうことを事前に知っていた方が
読みやすい。

正直に告白すると、いちごびびえすでのあの「ザモデル論争」(これについては
2005年10月16日にもちょっと書いた)の時、俺はザモデル氏の論理的に一歩一歩
進める議論の仕方が好きだった。ドラエモン氏も好きだけど、彼の書き込みは
「職人技」を披露してくれているように感じられた。極端に言えば、ドラエモン氏の
書き込みからは「知識」が、ザモデル氏の書き込みから「考え方」が学べるような
気がしていた。加藤氏がザモデル氏かどうかはともかく、この本からは現代マクロ
経済学の「考え方」が学べると思うし、それを学ばずして「日本経済への
インプリケーション」についてどうこういうよりは、まずはそれを身につけた方が
自分のためになるな、と感じている今日この頃。

以上が全体的な感想だけど、細かい内容についての感想やまとめもそのうち
やるかもしれない(特に最適金融政策を扱っている第5、6章)。



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