損害保険にまつわる(不愉快な)体験記


2014年3月14日(金)

昔書いたんだけどupしていなかったものを、東京海上未払い問題を
受けて、ちょっと加筆修正してupしてみる。

それは2007年の11月にさかのぼる。その年の1月にバイクに衝突された
ことで負った大ケガ(股関節臼蓋骨折)が完治したので、加害者が
加入している保険会社(某最大手損保)に保険金(慰謝料)を請求した。

数日後に提示された額は、入院2ヵ月半、完治まで約10ヶ月という
大ケガの割に、感覚的にかなり少なく感じた。そこで、保険金計算の
本を買って(なんて本か忘れたけど、結構分かりやすくていい本
だった)自分で計算してみたところ、提示された額は「自動車損害
賠償責任保険基準(自賠責基準)」から算出された慰謝料だってことが
分かった。

ところが、慰謝料の計算の基準は、その本によるともう1つある(実は
さらにもう1つあるが後述)。それは「弁護士基準」だ。その基準に
基づいて計算してみると、「自賠責基準」の額=提示された金額の、
約8割増しになった!

つまり俺は、慰謝料の一番低い額を提示されたってことだ。
なめられたもんだぜ。

ただ、だいたい慰謝料は両基準額の間のどのぐらい程度に落ち着くのか
がよく分からなかったので、ネットで調べて、日弁連交通事故相談
センターというところに相談しにいった(初めて弁護士に相談した。
そこは無料)。

すると弁護士は、「少なくとも自賠責基準の額よりは多く請求できると
思うが、弁護士基準までの額は難しいのではないか?多くのケースでは、
2つの額のだいたい真ん中ぐらいの額に落ち着く」とのこと。

なるほどーと思いつつも、最初向こうがなめた額を提示して
きたので、こっちも吹っかけてやれと思い、「弁護士に相談しました
ところ、貴社の計算基準ではなく、弁護士基準による計算額を請求
できるとアドバイス頂きました」というはったりをかました文章と、
自分で計算した額を送りつけてみた。具体的には、以下のような文章だ。


(前略)
慰謝料の金額を確認しましたが、私の感覚では少ないように感じ、
日弁連交通事故相談センターの弁護士に相談しました。そこで、貴社の
計算基準ではなく、弁護士基準による計算額を請求できるとアドバイス
頂きました。

私の方で弁護士基準の表を入手し、私の治療条件(治療期間○○日、
入院△△日、通院××日)で医療費を計算したところ、
A万(入院慰謝料) + B万(総治療期間の通院慰謝料)− C万
(入院期間の通院慰謝料の控除)= D万円
になりました。また、細かいですが雑費についても、
1500円×入院△△日=E円
になりました(弁護士基準の表についてはご存知でしょうから添付を
省略します)。ご確認頂き、この額が正しければ、この額をもって
慰謝料の請求とさせて頂きたいと思います。ご検討頂ければ幸いです。



そうすると、何とこちらの請求額満額、すなわち弁護士基準による
計算額が振り込まれてきた!当初の提示額より8割増しの金額だ!
これはかなり大きい。

その時俺は、損保会社っていうところは情報の非対称性に付け込んで
アコギな商売をしているなと感じた。しかし、上記のように指摘すると
おとなしく支払ってくれたということは、向こうもある程度は
後ろめたく(といったら大げさだが)感じているのかもしれない。

また、このように弁護士基準で請求して満額支払ってくれたという
ことは、おそらく通常の保険料もこれを支払う前提で設定されているはずだ。
しかし実際は、俺が当初提示されたように、自賠責基準の額の支払いで
済んでいるケースも多いだろう。となると、その差額(俺の場合はウン十万円)は
まるまる某最大手損保の懐に収まるし、保険加入者は実際支払われる額よりも多くの
保険料を払っていることになる。なんというおいしい構造だろう!

そもそも、弁護士基準と自賠責基準という2つの基準があることが、
保険会社にそのような行動を取らせる誘因になっているのだろう
(どうも調べてみると、弁護士基準と自賠責基準の間の額に当たる
「任意保険基準」というのもあるようだ)。保険会社としては、まずは
自賠責基準で提示して、それで納得するようならラッキーで、俺みたいに
弁護士になんたら、という面倒くさそうなのにはおとなしく言うとおり
にしてサヨナラ、という感じなんだろうと思う。

実際働いている人は当然こういうことは分かっていると思うけど、
良心の呵責みたいなものはないんだろうか?
このレポートとかを見ると、
どうもなさそうだけど。はああ(嘆息)。



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